エレクトリック500と呼ぶ人は少ないと思うけれど、電気自動車のフィアット500は車名としては『500e チンクエチェント・イー』。でも、ちょっと分かりにくいから、たぶん日本では「EVフィアット」とか「EVチンク」と呼ばれるんじゃないかなー、と空想に耽って一人で楽しんでいます(笑)
本国イタリアの公式では
"La Nuova Fiat 500 elettrica"
カタカナで書くと「ラ・ヌオーバ・フィアット・チンクエチェント・エレットリカ」なのですが、FIAT500好きの皆様ならご存知のとおり、1957年から "Nuova"(ヌォーヴァ)なんですよね。チンクエチェントは。
ちなみにイギリスでは「New 500」と表記され、もちろん「ファイブ・ハンドレッド」です^-^
なので、最新型にフルモデルチェンジされたEVチンクが日本にやって来たら、いま日本中で走ってる現代版の「新型フィアット500」あるいは「ニューチンクエチェント」て言い方もあるけど、再びさらにごっちゃになって会話がきっとタイヘンです(笑)
これまでは「古い方!」とか「先代!」と言えば、ああ旧車の方だな。とか、ルパンの乗ってるクルマね。とか、ツーカーで分かってもらえたけれど、もはや親・子・孫の三世代家族になっているのでややこしい。名字を呼んだら家族全員みんな振り返る、みたいな?笑
ちょっと家系図を整理してみよう。
初代500 トポリーノ Topolino
ローマの休日やニュー・シネマ・パラダイスにも登場している「ご先祖様」です。生産されたのは1936年から大戦を挟んでの1955年まで。500Aから500B、500Cと続きます。
2代目 Nuova500 ヌォーヴァ・チンクエチェント
実は初代500ことトポリーノとは異なるコンセプトで設計されたので、実質的には後継車ではなくネームバリューを受け継いだような形。イタリア語で「Newチンクエチェント」です。巨匠ダンテ・ジャコーザに手がけられた偉大すぎるイタリア屈指の名車。1957年から20年ものロングヒットで今なお愛され続ける旧チンク。
"隠れ"3代目 CINQUECENTO
知る人ぞ知る、90年代に東欧ポーランドで走っていた『CINQUECENTO』です。知名度はお世辞にもよいとは言えず、基本的にスルーされることの多い隠れキャラ的なチンクエチェント。その分コアなファンに偏愛されている傾向あり。
現代版500 チンクエチェント
もう、すっかりおなじみ!2007年3月に登場した現代の新型フィアット500。でもニューとか新型はあくまで呼び方だけなので車名としては「500 チンクエチェント」です。ロベルト・ジョリートによるデザイン。2004年に発表されたコンセプトカー「トレピウーノ」が基本となっています。
最新型EV 500e チンクエチェント・イー
日本には2021年中に導入が示唆されているという、最新型のEVモデル500e(チンクエチェント・イー)。北米限定でリリースされていたフィアット初の電気自動車500eの名称をそのまま引き継いでいますが、見た目も中身もフルモデルチェンジのまさに未来のクルマな最新型チンクエチェント。
過去と未来の家族を繋ぐ"チンクエチェントの家"
リンゴット工場はフィアット・ファミリーの故郷、そしてルーツ。
Casa 500(カーザ・チンクエチェント)すなわち『チンクエチェントの家』は、イタリア自動車の歴史そのものを代弁するフィアット・チンクエチェントの博物館であり美術館。2021年9月22日、トリノの旧フィアット・リンゴット工場にOPENしました。
バーチャル・ミュージアムという側面もあり、インターネット上で来館できます。
約700平方メートルの広さで、歴代フィアット500モデルの遍歴とストーリーをたどるだけでなく、トリノを拠点とするフィアット社(現ステランティス)の過去・現在・未来を示します。
●レガシー(Legacy)… Nuova500の起源と1957年当時の写真と映像
●イタリア製品(Made of Italy)… 500のようにイタリアン・スタイルを示した製品たち
●ブーム(Boom)… 1950年代という素晴らしき時代の証明
●エゴ(Ego)… 21世紀に捧げられたエリア
●倫理的(Ethical)… 現在の10年に焦点を当てたセクション
戦後イタリアのモータリゼーションを担った1957年誕生のNuova500、その50年後の2007年に蘇った現代の新型チンクエチェント、そして2020年の最新型・エレクトリック車500eいう、3世代のフィアット500を8つの視点から紹介しています。オンライン上でもヴァーチャルで訪れることができますよ!
ラ・ピスタ・チンクエチェント(La Pista 500)も同時開設。