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フィアット車のデュアロジック故障を予防!デュアロジックオイルを交換しよう!費用はいかほど?

投稿日:2022-10-07 更新日:

 

 

EVトポリーノ"電気サソリ"New ABARTH

 

デュアロジック車 フィアット500

新型フィアット500をはじめ、グランデプントやパンダといったFIAT車系でおなじみ『デュアロジック dualogic』は、ネット上でも故障やトラブルが報告されている弱点の一つと言われています。

ここでは、デュアロジック不具合の予防策として有効な手段とされているデュアロジックオイルの交換について、交換費用や交換時期について知り得た情報をまとめていこうと思います。

 

La FIT+a(ラフィータ)
Fiat デュアロジック車用シフトノブ

なぜデュアロジックの修理は高額になる?

不具合が出て、いざ修理となると、デュアロジックはアッセンブリー交換(全取っ替え)を提示されることが大半で、基本的に選択肢がありません。

フィアット500、パンダ、グランデプント、クライスラー・イプシロン等にお乗りの方は、さほど自動車のメカに詳しくないオーナーさんでも名前くらいはどこかで耳にしている筈の『デュアロジック dualogc

エンジンルームからは見えませんが、こんな形です。

デュアロジック本体|フィアット500のDualogicシステム

FIAT正規ディーラーでは非分解扱いのユニットなので、ほぼ漏れなくASSY(アッセンブリー交換)の診療結果を言い渡されるわけですが、その見積もり金額がサクっと20万を超えてくるので、あっという間に有名になった代物。現代版フィアット500の代名詞のようになってしまいました。

ASSY交換とは、ユニット単位で丸ごと新品(対策部品)に取り替える修理方法。病巣すべてを取り除いて根治を目指す治療法ですから、本来的には悪い施策ではありません。

むしろ現代の複雑化(ブラックボックス化)した高性能なマシン類には、いかにプロの整備士であっても対応が難しく、さらに言えば人材不足や相対的な技術力低下の問題などもあり、ディーラー専属のメカニックを責めるような話でもありません。

ただ、いきなりポーン!と20万以上の見積もりを提示されれば、誰だって驚きますよね(^-^;

 

 

その辺りのケアを怠って売りに売りまくってしまったのは功罪かな、と正直思います。欠点こそあっても個性的で技術的にも優れたユニットなのに、変な悪名とレッテルが付いてしまったのは事実ですから。メーカー主導でデュアロジック点検も項目化して、早め早めにきちんとフォローする姿勢と体制を示していれば、もしかすると不調の発症した多くのフィアット500達は手放されずに済んだのかもしれません。

デュアロジック各部のパーツも社外に提供はされないそうで、FIAT・ABARTH・イタリア車系を得意とする研究熱心なガレージや整備工場、専門店でも手が出せないという話でした(2018年現在)。

いずれにしろ、デュアロジックは耗部品なので、いつかは必ず、交換する日は来ます

 

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デュアロジックの仕組みやら機構やら、掘り下げ始めるとキリがないので詳細はまた他の記事でマニアックに書き綴るとして… (いくつか軽くまとめましたが)

ここではデュアロジックオイル(フルード)交換について中心に、できるだけ分かりやすくまとめようと思います。フィアットを買おうか迷ってる方やデュアロジック車に乗ってる方の参考になれば、と。

 

デュアロジックオイル交換の費用や時期は?

やはり、デュアロジックのオイル交換はフィアットオーナーとしては大切なメンテナンスです。

デュアロジックが故障や不具合、トラブルの事例が多い箇所であることは確かなので、メンテナンスを手厚くしておいた方が長い目でみると維持費も安くなると思います。

だいたい新車購入なら20,000km~30,000kmの走行が目安となるようですが、不具合の症状が出始めてからでは既に悪化している状態でしょうから、余裕があれば、前倒して20,000kmくらいで一度メンテナンスするとベストなのかなぁ…

まあ、人間と同じで、元気なときは健康診断を受けようと思わないものだけど… (^-^;

 

交換費用は、ディーラーかイタ車系を得意とするガレージさんにもよりますし、交換するデュアロジックオイルの量にもよりますし、当然ながら一概には言えませんが、工賃とオイル代を合わせて20,000円~30,000円(税抜)くらいは必要です。

「高っ!!」って思ってしまいますけど、デュアルロジックの機構は、エンジンオイルみたいに簡単にオイル交換できる構造ではなく、古い汚れたオイルを抜ききるだけでもそれなりに大変です。さらにオイル交換後も、専用のテスターでポンプを作動させてのチェックや校正・調整作業も必要なので 作業の手間も時間も掛かるわけです。

デュアロジック本体 オイルタンク

デュアロジックの金属ユニット部分に一体となっている白い半透明のオイルタンク。写真はキレイなオイル。これが使い古すと金属スラッジで真っ黒けになります。汚れたオイルを抜いて充填し、ポンプを作動させる工程を何度か繰り返して機構内部の汚れを出すそうです。

 

デュアロジック車を長く大切に乗っていくために、このデュアロジックオイルの状態を健全に保つことが効果的とのこと。量としては数リットルしかないオイルで高圧力の動作を支えているので、エンジンオイルやミッションオイル以上に酷使されているわけです。オイルが劣化しやすい環境にあり、適正値の粘度が失われてゆけば油圧エラーが生じやすくなりいわゆる「ギア抜け」の症状となるようです。

あるいは、オイル漏れによる電気系の不具合や、シールの劣化による内部油圧の制御不良などが原因になることも。

ちなみに、よく「ギア抜け」と表現されますが、機械的にはギアは入っています。ただ、検知した油圧が適切な数値に達していないと判断したコンピューターが自動的にセーフティを作動させ、強制的にニュートラル状態にするため「ギアが抜けた!」と運転者には感じさせるわけですね。

走行中に突如ニュートラルにされるのは、実際かなり怖いです(^-^;

 

■ミッションオイルも重要と思われる…

 

日本でのセールス上の都合でしょうけど、まだ情報が出ていない頃は特にオートマっぽい側面がアピールされていた記憶がありますが、あくまでAT限定免許で運転できるMT車です。

シフトチェンジのクラッチ操作を、デュアロジックが人間の代わりに行っているため、長く走ってるうちにミッションの動きがスムーズでなくなってくると、その負荷はデュアロジックが直接受けることになるわけですね。

その負担がデュアロジック各部を痛めるのではないか、というのも自明の理ではあります。

通常のマニュアル車であれば、ギアを入れてる人間自身がシフトレバーやクラッチペダルに伝わる手足の感覚で違和感などに気付くのですが、ロボMTだとそれをドライバーが認識できないので自覚症状が出たときには既にデュアロジックが… なんて状況になってたり…

そう考えると、デュアロジックオイルと同様に『ミッションオイル』もちゃんとケアすべきなのでしょう。ミッションオイルもだいたい4~5万キロほどでオイルはかなり汚れて、ミッション自体のスムーズな動きを妨げるようになります。そのうちAIみたいな「デュアロジック人工知能」がシフトチェンジが重くなってるのを自己申告してくれるようになれば有り難いのですが、まあ、あまり期待はできないでしょう(笑)

 

トランスミッションオイルは2種類あり、通常のMT用ギアオイル(75W)とシフトをコントロールしているハイドロオイル(ATFと同等)があります。MT用のギアオイルはそんなに劣化しないので、そうそう交換する必要はありませんが、デュアロジックの作動油は結構頻繁に動いているので交換をお勧めします。

デュアロジックオイルはDEXRONⅢと言う規格で、アメリカのGMが制定した規格です。

 

オイル交換は正規ディーラーかイタリア車系の専門店で

フィアット・アルファロメオ正規ディーラー

なかにはデュアロジックオイルすらDIYで交換する強者もいらっしゃいますが、よほどメカが得意でないと普通は無理です(笑)ちゃんと専門の所にお願いしましょう。

ちなみに、FIAT正規ディーラーさんで1年点検や2年点検、車検をお願いした場合でも、デュアロジックは点検項目に定められていない為、こちらから何も言わなければ特にデュアロジック本体のチェックはしてくれないこともあるみたいです。(ディーラー各店舗の方針にもよると思いますが)

すでに調子が悪くてエラーログが出てたり、明らかにオイルが漏れてたりすれば分かりますが、そうでないとお任せでスルーされる可能性もあるので、心配事は積極的にクエッションを投げかけよう!

 

エンジンオイル交換も忘れないで!

ボクは趣味なので自分でも交換しますが、維持費としての投資はやむを得ないので、エンジンオイルは(多少高くても)ディーラーさんに足を運んでコンスタントに換えておいた方が、後々に合併症で深刻な健康被害(故障)につながるよりはマシという考え方もできるわけです。あくまで予防の一つではありますが。

エンジンオイルを小まめに換えてあげることも、クルマ全体をスムーズに動かすという意味で、デュアロジック機構の保護につながっていくと思います。

ものすごく久しぶりにエンジンオイル交換した時って、すごくドライブフィーリング向上するじゃないですか?

それって、デュアロジックにとっても無理な力が掛からない状態で、負担が軽減されていると考えていいと思います。結局、クルマの不具合って一箇所だけの問題じゃなくて、全部が連動して動いていますから。(人間と同じですね)

 

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