Fiat 500 Coupe Zagato concept
フィアット500 クーペ ザガート・コンセプト
Fiat500クーペ・ザガートとは、チンクエチェントの雰囲気を残しつつ、ザガート(ZAGATO)社がスタイリングを手掛けたクーペモデルです。
イタリアの名門カロッツェリア『ZAGATO ザガート』は古くはABARTHとのコラボレーションでも関係が深く、ニューフィアット500におけるコンセプトモデルとしてジュネーブショーでお披露目されました。
FIAT社内スタジオのチェントロスティーレ(デザインセンター)と共同でデザインされたワンオフモデルです。
「フィアット500のシルエットを生かしつつ、一層強烈な魅力を与えた」
エクステリアは完全にリデザインされ、アグレッシブなクーペスタイルに仕上げられています。三層仕上げの明るいボディカラー(ポップイエロー)も、さらにその個性を強調するのに一役買っています。
なんとなくルパン三世が乗っててもおかしくない感じのクーペ版・黄色いチンクエチェント♪
色もルパンイエローに近いかも?
前後のバンパーまわりをはじめ、「ダブルバブル」と呼ばれるこぶ状のルーフライン、リアクオーターウィンドウからCピラーにかけて後方に向かい傾斜する造形は独自のもの。
小型化されたリアウインドウのため、座席は2+2となりますが、ザガートデザインに見られるふたつのコブ=ダブルハンプデザインを採用することで、車高を下げながらも、ある程度の室内高を稼いでいる。特にリアからの眺めは斬新。
ダブルバブルルーフとは?
運転席および助手席の頭上部分が若干盛り上がり、こぶがふたつできている屋根の形状をいう。スポーツカーなどによく取り入れられている形状で、スペースがあるため、ヘルメットを被ってもスムーズに運転ができるなどの特徴がある。
ボディサイズは、全長3.55m×全幅1.63m×全高1.49m。
パワーユニット、小排気量・高出力を誇る『TwinAir ツインエア』エンジンを搭載。
2気筒ターボ875ccという1リッターにも満たない小排気量ながら、最高出力105hp/5500rpm、最大トルク15.8kg-m/2500rpmを発揮します。その一方、CO2排出量はわずか95g/kmと環境性能にも優れるFIAT肝いりのダウンサイジング・エンジン。
エクステリアについてはスポーティなキャラクターにあわせて、高光沢クロームパーツをはじめ、足元には新型ダブルスポークデザインとプラスチックインサートをあしらった17インチ「クロームシャドーホイール」を採用。タイヤは205/40R17タイヤで、パーフォレーテッド ブレーキディスクを装備。
若い年代や女性ドライバーのニーズに応えるコンセプトから、色彩や素材のトレンドにも着目したとのことです。
このコンセプトカーに用いられたボディカラー「ポップイエロー」は、特殊な3層塗装仕上げによる白に近い色調とし、ボディ形状を強調するとともに、ポップでユニークなキャラクターも兼ね備えています。
インテリアにもおなじスタイリングイメージを採用。
ハイテクファブリック素材をイエローのシャモア革で覆わったコンビシートは「ダイヤモンド」シートをヒントにデザイン。
周囲にはブラックの本革を採用することで、若々しい雰囲気を演出しているという。エコクローム仕上げのダッシュボード、ダークカラーのルーフライニングなどからなる、スポーティな仕立て。
ザガート社とは1919年、イタリア、ミラノに設立。航空機の機体開発から得た軽量設計ノウハウを生かし、1929年にアルファロメオ『6C 1750 GS』、1932年にアルファロメオ『8C 2300』など、数多くの名車を送り出してきた名門カロッツェリアです。
アストンマーチンやマセラティとのコラボレーションも有名。
1950年代、フィアットやアバルトとの関係も深かったカロッツェリア・ザガートは、フィアット ヌオーバ500や600をベースにフィアット・アバルト500クーペ ザガートや750クーペ ザガートなどといったモデルを世に送り出していました。
当時のモデルはベース車両の面影もないほど手が加えられた、特徴的な流線形ボディ。
50年以上の歳月を経てよみがえった、今回の「500クーペ ザガート」は、ベースとなったフィアット500のシルエットを生かしつつ、クーペとよぶにふさわしいデザインに仕上げられています。
画像出展:FCA