2017年7月4日、フィアットの”Nuova 500”(ヌオーバ・チンクエチェント)が誕生から60周年を迎えました。1957年から1975年まで18年にわたり、400万台以上が造られたモデルで、いまだ世界中でイタリアを語る際のアイコンとなっています。
多くのイタリア人には、Nuova 500こと”Cinquino”(チンクイーノ)との思い出があると聞きますが、世代の移り変わりと共に、旧車のヌォーヴァの方から、新型の2007年版のフィアット500と過ごした時間を語る人が増えてゆくのでしょう。
それでも、やはり、Nuova500は特別なクルマで在り続ける。
プリマ・セリエと呼ばれる「最初期型」のチンクエチェントと「初期型」のFIAT500Dまでが、いわゆる”Nuova500”です。”ヌォーヴァ”はイタリア語で『新しい』という意味。すなわち新型チンクエチェント。
1957年、最初のヌオーバ500の価格は49万リラで、その当時の労働者の平均的な月給の10倍とも言える金額でしたが、毎年のように給料が増えていった戦後イタリアの経済成長の最中であった為、チンクエチェントはみるみる庶民のアシ車として普及してゆきました。