2020年3月、新たなFIATを象徴するかのようなスペシャル・ワンオフカー3台が、北イタリア・ミラノで発表されました。
世界が認めるイタリアブランド『ジョルジョ・アルマーニ』『ブルガリ』『カルテル』と、EV・電気自動車シフトの新時代を迎えたフィアット(FCA)の特別なプロモーションです。
●最新型フィアット500ev ワンオフカー
フィアット500は、20世紀を代表する「小さいクルマ」の代名詞であり小型車としてシンボリックな存在。世界中で愛されるイタリアンアイコンの1つとされるベストセラーカー。かのニューヨーク近代美術館(MoMA)にも展示されているそうです。この3台の特別なワンオフカーは、3つのブランドが持つ不変の価値観により生命を吹き込まれ、際だったスタイリングと創造力、クラフトマンシップを具現化する試みです。
工業デザインの世界でもイタリアンデザインの評価が高いのは歴史的にも推して知るべし。現代的デザインのアイコンブランドであるKartell(カルテル)が最新型フィアット500EVのワンオフカーを手掛けた―
創造性と革新にインスパイアされた非日常的なまでにクールに洗練された美の訴求!
イタリアが誇る工業デザイン界のアイコンブランドであるカルテルは、プラスチック素材を活用して実験と研究を重ね、新しい美と機能を追求してきました。近年、同社は持続可能なプラスチックの開発にも熱心に取り組んでいます。500 Kartell(チンクエチェント・カルテル)は、現代的デザインのオブジェといえる製品に生命を吹き込む素材の理想的な組み合わせを体現しています。
エクステリアは“モノブロックカラー”コンセプトに基づき、金属、ガラス、ラバー、プラスチック、ファブリックといった異素材を使い、全体のカラーをカルテルブルーに統一しています。このカラーは有名なイヴ・クライン・ブルーに源を持つもので、カルテルのアイコンともいえるカラーです。ボディパネルの表面は、環境に優しいクロム塗料を採用した、ミラーエフェクト・カルテルブルーで塗装されています。フィアットとカルテルのロゴはボディから浮き出して見えますが、これは素材感と深みを生み出すためにサンドブラスト加工を施したポリカーボネイト素材ならではの効果です。
カラーエフェクトと並ぶエクステリアの象徴的な要素としては、パラボリックプロジェクターから回収されたポリカーボネイト素材を使用した、フロントグリル、ホイール、ミラーキャップなどが挙げられます。
これらのコンポーネントはカルテルの“カブキランプ”にヒントを得たもので、この新世代自動車のアイデンティティを表現するモチーフとして、フェルーチョ・ラヴィアーニがデザインと開発を担当しました。
それらのディテールはカブキランプの質感を連想させ、クルマにとって特別な装飾要素となっています。カブキランプが採用する透明なレースのような質感は車内にも適用され、ダッシュボードのインサートのポリカーボネイト製カバー、シートのデザインなどに活用されています。
エクステリアのカルテルブルーとインテリアの明るさが作り出すコントラストは非常に印象的で、暖かい色調と冷たい色調を組み合わせ、クリアで軽快な環境を創出しています。
インテリアに採用される触感のよいテキスタイルのプラスチック素材は、最新のカルテル製の椅子と同様に100%リサイクル・ポリプロピレン。
ファブリックはナチュラルで暖かい雰囲気を醸し出しますが、これもリサイクル・ポリエステル100%の素材です。