フィアット500は故障する…とか、
やっぱりイタ車は壊れる…とか、
不具合でデュアロジックがギア抜けするらしいぞ…!とか
etc. etc...
やはり何かとトラブルが懸念される事の多い現行版チンクエチェントことニューFiat500。
丸っこいフォルムが可愛いから乗りたいのだけれど心配… と、いざクルマを買おうと考えている人が不安に思う気持ちも当然分かります。誰だって車選びは失敗したくないですもの!
●EVトポリーノ&"電気サソリ"New ABARTH
ネットで検索してると「フィアット500 死亡事故」なんて物騒なキーワードまでGoogle先生に表示されちゃったりする始末で、さすがに『そんなのどこのクルマ乗ってたって同じでしょ?』と心の中で叫んだりしちゃいますよ。僕は。
たしかに新型フィアット500もリコール対象になったことはありますし、どんなにFIAT大好きでも後悔することだってゼロではない。それなりにデメリットは少なくない車種だとは思います。デュアロジックの耐久性にはかなり疑問は感じるし、操作性だってオートマと称するには独特すぎる。カワイイから買っちゃったけど失敗だった…と感じてすぐに手放してしまうオーナーさんの話もちょいちょい耳にします。
まあ、運転スキルが求められ「乗り手を選ぶ」という観点から捉えれば、むしろ相対的に安全なんじゃないか?とも考えられますね☆
これ、イタリア的ポジティブ思考(笑)
●エンジン自体の故障は心配ない。
●不具合ではないが、低回転の非力さからエンストする例はあるらしい。
●タイミングベルトでなくタイミングチェーンなので、ランニングコスト的には有利。
●ただ、オイルやプラグはケアしてあげた方が負担減ではある。
●ウォーターポンプは走行距離に応じてメンテ必要。
●ミッション操作機構であるデュアロジックがそもそもの不安要因。
●スタート&ストップ(アイドリングストップ)は故障例が多い。
●S&Sにエラーが出ると、ECU的にエンジンの動作にも影響してしまう。
まあ、いろいろ上げだすと枚挙にいとまがないと申しますか(^-^;) それなりに一筋縄ではいかないのは事実です。まだ記事にはしていませんが、デュアロジック消耗によるギア抜けだけでなく、ブレーキランプスイッチが死んだり、エアフローセンサーか壊れたり、パーツ・部品の故障には幾度となく泣かされてきました(苦笑)
・・でも、
そもそも、日本車を基準にしちゃあダメです。
と開き直ってみたりして(笑)
鬼門のデュアロジックは、オイル交換(※エンジンオイルでなくデュアロジック・オイルね)で延命というかトラブル回避の布石となるようで、研究熱心なガレージ・専門店の方々は推奨なさってますよね。
La FIT+a(ラフィータ)
Fiat デュアロジック車用シフトノブ
もちろん、エンジンオイルもミッションオイルも、定期的にケアしてあげるに越したことはなく、あらゆる駆動系がスムーズであればあるほど各所・部品への負荷を少しずつでも軽減させられる。それこそ長く乗るためのコツだと思うのです。あんなに重くて大きな鉄の機械をメンテナンスフリーで乗るなんて方がそもそもナンセンスな捉え方かもしれませんね。
FIAT正規ディーラーではデュアロジックは「非分解扱い」だそうで、みんカラなどSNSでもデュアロジックオイルも「オイル交換不要」と言われたという報告を散見します。(もちろんスタンスとしては各店の方針に依る処はあると思います)
かと言って、「不具合が生じると高額なアッセンブリー交換」というのは噂でもデマでもなく事実です。仮にリリース後に初めて分かった弱点だとしたら、本来ならメーカーが改善に乗り出すのが当然なわけですから、実情と対応に整合性が取れていません。
最初からASSY交換前提の『消耗部品』であり、メンテナンス・修理を前提としていないユニット。
…て、事なのかな、という結論(持論)
部品代が高額なのは、そこでディーラーがマージンを取る為、という見解が多いようだ(一般論)
その辺りはビジネスでもあるので、別に悪いことではないと個人的にも思うのですが…、『高額交換してでも長く乗り続ける』or『新しい車に乗り換える』の二択しか提示しないスタンスの店が大半なのが残念。まあ、自動車業界に限った話ではないですけれど。(日本の経済は消費し続けることでしか回らない)
問題提起するのであれば、正規ディーラー独占状態となっていて、ユーザー側に不利益が生じている事。
クルマ好きだったり、自動車に詳しければ、あれこれ調べて、小規模でも熱心でウデのある専門店やガレージに持ち込むとか他の道を模索することが出来るけれど、大多数のライトユーザーさんは正規ディーラーに全委任するしか方法がない。それなのに寄り添うどころが突き放すような事例が少なくなく、どうせウチ(正規店)でしか取り扱えない。という本音が透けて見える。もちろんこれも、自動車業界に限った話ではないですけれど。値段があまりに違うから例えとしては極端だけど、競合店がいなければ定食屋だって高くとるでしょ?(^-^;
ともあれ、
デュアロジックは壊れる。ではなく、いずれ交換が必要になる。
そんなデュアロジックに輪をかけて『マジで大丈夫なんですか?』と、人々をドキドキさせちゃったのがFIAT独自技術の2気筒エンジン『ツインエア TwinAir』です。現代の自動車は4気筒(または3気筒)のエンジンが主流です。ピストンの数が気筒数なので、ツインエアは文字通りシリンダーが2つだけ。未来志向の環境型ダウンサイジングという謳い文句でしたが、まさかの先祖返り。旧車のチンクエチェントと同じ2気筒エンジンですもの。
小排気量の軽自動車でも3気筒が一般的なのに、フィアットの大胆すぎる開発部門は一挙に2気筒まで減らしたツインエアを市場に送り出すという思い切りの良さ!導入当初はクルマ業界の界隈がなんとなくザワザワしてた気がしますね(笑)
しかも当時、フィアット・パンダ(ニューパンダ)やクライスラー・イプシロンにも積み込んでしまうという主力扱いでした。たしかにハイテクノロジーなマルチエア・エンジンなのですが、見方によっては豪腕とも取れる経営手法。いやはや頭が下がります。
もちろんエンジンを小さくすることで、振動が大きいとかパワーが弱いといったデメリットも生じるのですが、バランサーシャフトで振動を抑える、ターボチャージャーで出力を補うといった対策もキッチリ施しています。まあ、それでもイマ車にしては全然揺れますし、ターボもそこそこスピードが乗らないと効いてこない。それなのにアクセルを踏み込めば踏むほど振動の粒は微小となって、めっちゃ速い!というピーキーとも言える魅力的な走りをするという… まさにTHEイタリア車なのだ!
●燃費はエコカーと称せるほど軽自動車に負けないほど優秀。
●それなのにリッターカー並のパワー。
●回せば回すほどトルクを紡ぎ出すイタ車特有の魅惑のエンジン。
●パタパタ…トコトコ… と、先代FIAT500を彷彿とさせるクラシックなエンジン音。
足し算だけでもなく、引き算だけでもなく、はたまた掛け算なのか割り算なのか… 僕たち日本人には真似できないようなアクロバティックな仕上げ方をしてくるのだから、イタリアの物づくりの伝統というのは本当におもしろい。
実燃費は街乗りでもリッター15kmは楽勝だし。うまく乗れば18キロくらいまで伸ばせます。高速なら20~25キロはいけますね。ツインエア搭載のチンクエチェントは小さいと言っても車重は1トンほどあるので、わずか875ccのエンジンでは立ち上がりはじゃっかん重い。でも少し走り始めるとターボが効いてくるので時速50~60キロまでの加速はとても速い。
個性的であり唯一無二なキャラクターを持つ『ツインエア TwinAir』というエンジン。
しかし、そんなシロモノ、故障するんじゃないか?
そういう不安を抱く方も多いのではないかと思いますが、TwinAirエンジン自体が壊れたという話は聞いたことがありません。そもそもイタリア車は壊れやすいという悪評が独り歩きしている感は否めず、本来イタ車をはじめ欧州車は丈夫と言えるでしょう。
痛むのは消耗品である交換パーツで、それらが本来の性能を発揮できなくなって全体的な不具合として顕在化するわけです。
じゃあ、メンテナンスフリーな日本車はやっぱり優秀じゃないか!
…とも盲目的には言い切れず、根本的にモノづくりの考え方が日本と外国では違うのだと、気付き始めた人も増えているのではないでしょうか。世界的にみても、端っから至れり尽くせりな品物を世に出そうとするのは日本特有の文化でしたから。最近ではグローバル化の波のせいか、そんな古き良きニッポンの物づくりも悪くなりつつあるし。
さて、少し話が逸れてしまいましたが、エンジンを始めとして基本的なメンテナンスを怠らなければ不具合は生じにくいし、それこそ路上ストップするような故障に直面することはあまり無いでしょう。そりゃ初期不良とか国産車より多いのも事実だけれど、ちょっとした異変にすぐに気付いて、早期発見・早期治療をおこなえば大事には至りません。
まあ、仮に止まったとしても、オマージュ元の旧チンクらしくていいじゃない(笑)