チンクエチェント博物館が最初に開館したのは2001年(平成13年)6月2日でした。愛知県知多市にある「チッタ・ナポリ」内にてオープン。山形移転を経て、2020年にトヨタのお膝元・名古屋市で再び開館。現在に至ります。
戦後イタリア国民の大衆車であり20世紀の名車のひとつ『FIAT500 フィアット・チンクエチェント』専門の博物館です。1957年(昭和32年)から1975年(昭和50年)まで生産された、旧車モデルのNUOVA(ヌォーヴァ)に特化したラインナップを所蔵し公開しています。
イタリア語では『Il Museo della Cinquecento』(イル・ムゼオ・デラ・チンクエチェント)
チンクエチェントとは?
フィアット500は、ご存知『ルパン三世カリオストロの城』で崖を駆け上り、リュック・ベッソンの映画『グラン・ブルー Le Grand Bleu』ではジャン・レノが小さな車体ぎゅうぎゅうに乗って登場したりするイタリアのクラシックカー”クラシケ”です。1957年にイタリアで誕生した庶民のアシ車は、世界中出会いされ現在も普段の暮らしの中で乗る愛好者も多いレトロで可愛い旧車です。”チンクエチェント”の意味は、イタリア語で「500」という数のこと(cinquecento)。およそ500cc弱だったエンジン排気量に由来する車名です。
チンクエチェント博物館では、このフィアット500を通じてイタリアの感性や生活文化の豊かさ、楽しさを広め伝えていくことも大切にしています。
"FIAT500を楽しむ、未来につなぐ。"
チンクエチェント博物館が掲げるテーマです。数あるフィアット500(旧チンクエチェント)の車体において『ヌォーヴァ Nuova500』という初期型タイプを中心に所蔵・展示することで、クラシックカーとしてのFIAT500(フィアット・チンクエチェント)を文化的な遺産として保護・保存につなげていくことを目的としています。
誕生して半世紀以上も経つクラシケ(イタリア語でクラシックカーを意味する)でありながら、今でも愛され現役で活躍しているチンクエチェント。これから50年後100年後も乗り継がれる“現役のクルマ”として後世に残していくことは、このクルマの歴史を守り持続可能な社会づくりにもつながるとうう考えに基づいた活動は素晴らしいものだと思います。
現代版の新型フィアット500のヒットもあり、日本でもフィアット・チンクエチェントを知る人が増えてきました。そこで「この車に心惹かれた人たちに実際に所有してもらい、日常の中で乗ってもらうことで保護・保存につなげていきたい」との思いから、展示にとどまらず車両の販売も行っています。
イタリアに現存する旧い車両を、提携するカロッツェリアで現代に合うクオリティに仕上げ、500を愛するユーザーに届けるためのプロデュース車両にも取り組んでいます。1人でも多くの人にチンクエチェトに乗ってもらうことで、共に暮らし、楽しみながら守って欲しい、1台でも多くのチンクエチェントを未来に残していきたい、そんな熱い想いこそが原動力。
”所有することの誇らしさ、一緒に暮らす喜び”
イタリアでも有数のチンクエチェント・スペシャリストが手がけ、 日本での走行環境に配慮してメカニカルな部分にもこだわって仕上げられたレストア車。
今、チンクエチェントのクラシケの中には朽ちたまま解体されてしまうものも少なくありません。そんな車両を救い、新しい命を吹き込むことが「レストア」です。現代の生活に合う仕様に仕上げ、 車両のクオリティと価値を最上位に引き上げています。廃車寸前の状態からのレストアは困難ながら、EVコンバートにも注力するなど、1台でも多くのFIAT500をサルベージして、 現役のクルマとして愛されるチンクエチェントを残していくための活動に常に邁進してらっしゃいます。
チンクエチェント博物館 主催イベント
チンクエチェント・ポーリ
軽井沢 FIAT PIC・NIC(ピクニック)
トリコローレ
チンクエチェント博物館 展示車両
- FIAT 500 A(トポリーノ)/ 1936年
- FIAT NUOVA 500(プリマセーリエ)/ 1957年
- FIAT NUOVA 500 USA / 1959年
- FIAT 500 GHIA JOLLY / 1959年
- FIAT NUOVA 500 SPORT / 1959年
- FIAT 500 GIARDINIERA / 1960年
- FIAT ABARTH 695 SS ASSETTO CORSA / 1966年
- FIAT 500 ENGADINA / 1971年
- CHOCOLATE COATED FIAT 500 / 2005年
チンクエチェント博物館【概要・所在地】
2014年(平成26年)3月末にて閉館し、同年5月1日、山形県鶴岡市に移転リニューアル。同博物館は設立当時より「移動博物館」をコンセプトとしており、移転リニューアルはその構想によるものでしたが、博物館の事務局は愛知県名古屋市としました。
2020年(令和2年)、山形県鶴岡市から事務局のある愛知県名古屋市に移転。
2020年(令和2年)4月現在、愛知県名古屋市にて開館。
チンクエチェント博物館
Il Museo della CINQUECENTO
愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14-10
プライベート博物館なので、訪れる際は事前予約が必要です(オフィシャルHPに来館予約のフォームより/※電話は不可)。尚、『チンクエチェント好きの方に限り』来館を受け付ける、とのことです。テーマパークではないですから観光気分の軽いキモチで訪れるのはご迷惑になると思うので控えて下さいね<(_ _)>