カタチは可愛いチンクエチェントなのに、クルマ好きたちの興奮と官能を呼び覚ます『ABARTH アバルト』とはいったい何者なのだろう? しかし、そんな理屈をコネるまでもなく…
とにかくカッコイイ!
速い!パワフル!
今日もイイ音してるぜ!
みんなアバルト大好きだ!
そんなクルマ。THEイタリア車。
まさに梅雨の晴れ間な!ジャスト・ピンポイントに快晴ピーカンとなった2019年6月16日、筑波サーキットで開催されたアバルト・ミーティングに行ってきました。
近年、ABARTH系イベントとして超盛り上がってる!アバルト車のカスタムパーツブランドTHREEHUNDRED(スリーハンドレッド)さんが主催する『THREEHUNDRED meeting TSUKUBA 2019』は今年も名実ともにアツかった!
小さなボディなのに過激に速いABARTH… そのピッコロ・モンスターの名を受け継ぐに相応しいホット・ハッチバックこそが現代のアバルト(500/595/695)です。
更にはロードスターのボディを持つ124スパイダーもラインナップに加わり、チンクエチェントやフィアット・パンダとは別枠の存在感を誇るFCAの人気シリーズ。
僕はコメンテーターでも自動車雑誌のライターでもないただの素人なのに、恥も外聞もなくそれっぽいコトを言っちゃいますが、たぶんアバルト595系は今も昔もギャップ萌えだよな~。なーんて。
そもそも、今年2019年で創業から70周年を迎えたABARTHは、当時から小さい車をハイスペックにチューンすることを生業としていたチューニング屋。創業者カルロ・アバルトの名はあまりに有名。
カルロの星座さそり座にちなみ、ロゴ・エンブレムには毒を持つ蠍(サソリ)、ABARTHスコルピオーネが配されています。とてもシンボリックで刺激的ですよね!
アバルトの代名詞といえば、『ピッコロ・モンスター』であったり『ジャイアント・キリング』であったり『羊の皮をかぶった狼』であったり…etc.
ヌオーバ500をはじめとしたFIAT製の小型車をベース車に、より大きなレースカーに打ち勝っていったという伝説的な活躍に裏付けられる、誇り高き呼称と精神性を反映したものばかり。
イタリア人たちのプライドを感じるし、今では世界中のアバルト乗りに受け継がれている。
ミーティング会場となった筑波サーキットのパドックには、オリジナルの旧アバルト595が展示されてました。
旧アバルトの本物車両はすごくレア! ABARTH風にモディファイされた旧フィアット500は多いのだけれど、当時にABARTH595の名を冠して世に送り出されたオリジナル車体はいったいどれほどの数が現存しているのか…
レーシーなABARTHチューンを施すためのキット販売も、旧アバルト時代からの十八番(オハコ)ですよね。今なおオマージュ的に販売されるエッセエッセ(SS)キットの存在がスコーピオン・オーナーさん達の琴線に触れ心を揺さぶるのです。
きっと戦後のイタリア男たちもそうだったのかなぁ、と思うわけです。
チンクエチェントは庶民のアシでありイタリアの国民車。当時ほとんどのイタリア人が乗ってたと言っても過言ではない、普通の一般人が買える自動車がレーシングカーに早変わりしちゃう。しかも実際にレースで結果も出している。ぜったい気分がイイに決まってるしスカっとしますよね。カタルシスが満たされるというか。イタリアも敗戦国だったし。
もちろん、現代のアバルトは、新型フィアット500の上級グレードとしてハイブランド化されたモデルでもあるので、一概には旧アバルトの意義と同一視してはいけないのは確かですが、今のニューチンク乗りのオーナーさん達も皆さんアバルト好きな印象を受けますね。少なくとも嫉妬したり嫌ったりってのはなくて、憧れ?だけでもないんでしょうけど不思議なほど好意的です。
先代の旧チンクより一回りは大きくなったとはいえ、それでもイマ車の中では小さな部類です。理由もなく煽られたりイジワルをされることも少なくはないでしょう。
でも、同じ車格でもサソリマーク付きは一味違うんだぞ!と。何というか、ABARTHってチンク乗りにとってもヒーローなんですよね!